ひとりごとブログ

男性不妊による不妊治療中です

義両親への告白


そう言えば、義両親へのカミングアウトについてあまり書けていませんでした。
カミングアウトしたのは、2度目の精液検査を受けた後、TESE出来るかどうかまだ分かっていない頃の事です。私の精神状態が一番落ちていた頃だったと思います。

元々、旦那とは、TESEを受ける事が決まったら両親に言う、と話し合っていました。私としても、息子さんの大事な体にメスを入れる事を詫びておきたかったので、TESEを行う前には絶対に報告しなければと思っていました。

しかし。
私の気持ちは落ちる一方で、『このままTESEが受けられるかどうかわかるまで待つ必要があるのか、無精子症であることはハッキリと確定したのだからTESEするかしないかに関わらずいつかは言わなければならない事を、両親にまだ黙っておく理由はない』

そして何より
“共感して欲しい…”
この苦しい状態を、赤の他人ではなく、同じ家族に。

この頃の私はすごく焦っていたと思います。1日1日が、すごくもどかしくて。
今なら、何で待てなかったんだろう。。と思うから。結局のところ、いつ告白しても変わりはなかったのだろうけど、夫婦で決めたことを守れなかった事はあまり良くなかったなと、今感じます。

旦那としては、息子として、そして男として、両親に無精子症の事実を告げる事は物凄くストレスだったのかも知れません。しかし私のワガママを『分かった』と聞いてくれて、義両親に報告しに行く事になりました。旦那に感謝です。



しかし、義両親の反応は共感を求めていた私が予想していたものとは大きく違いました。


旦那が無精子症の事実を告げると、

父『そうか・・・』
母『ふ〜ん・・』
父『まぁ、なんと声をかけて良いか分からんけど、何か困った事があったら言うてね。』


終了。



えーーーーーーーー!!!!!!
終わりですかーーーー!!!!
えぇぇぇーーーーー!!!!!!!


正直、すごくすごくショックでした。
他になんか無いの?!と思ってしまいました。


無精子症の方の色んなブログを見て妄想を膨らませていた私がアホだったんでしょうか、もっともっとなんかあるやろ!!!聞く事とか、反応とか!!!と思ってしまいました。
なんと言えば良いか、私は一緒に同じ立場で悩んでくれる家族が欲しかったのだと思います。義両親に報告できると決まった時に、やっと仲間(言い方悪いけど)が出来る・・・と安堵した部分がありました。しかしそれが一気に突き放されてまた一人ぼっちになってしまった気分でした。

さらに不安になったのは、
『もし手術で、精子がいない事がわかったら、その次の選択肢は2人で話し合って決める』と旦那が言った時の反応です。
『選択肢ってどういうこと?』(すこし焦り気味)
と義父が言いました。
旦那『まあ、産むにしろ産まないにしろ色々あるから』
義両親『へ〜・・・?』

きっと義両親の中では、
精子がいない=子どもを諦める  
しか無かったのかな?そりゃそうですよね。その時は無精子症の事実に驚きで、養子を迎えるとか考えられる状態じゃないし、AIDとかまず知らないだろう、と。だから、その先の選択肢なんて言われたら、もしかして離婚?!とか思ったのかも知れません。
そう思うと、もし本当に精子がいなかった場合、次の選択肢を義両親に理解してもらわないといけないのかーーー、と気が重くなりました。


でも、私
欲張りですよね。
ずっと両親に言わずに頑張っておられるご夫婦も沢山いると言うのに。
そして今思えば、義両親は義両親なりに、物凄くショックだったんじゃ無いかと考えるようになりました。
私は、旦那の無精子症をなんとなくですが微かに予想していました。でも義両親は違う。いきなり息子の無精子症をカミングアウトされたら、思考停止しますよね。義両親が今の私達ぐらいの時代は、男性不妊なんてまだまだ認知度が低い時代、今の若者ほど、その事実を柔軟に受け入れられないと思います。
『そうか』『ふーん』の反応は、ショックをかくして精一杯の反応だったのかも知れません。
私達が帰った後に、冷静になって考えて、色んな事を調べてくれたかな・・・と、信じたい。寧ろ、困った事があったら言うてねと言ってくれたその心に感謝しなければいけません。


こうして義両親へのカミングアウトを果たしたわけですが、実は話の最中に旦那にムカついた事がありました。

義父が『どうして検査受けに行く事になったの?』と聞いてきたときです。

そりゃ、子ども欲しけりゃ女性だけじゃなく男性側も検査するのが筋ですよね。と言いたかったですがここは抑えて・・・
義父の若い時代は精液検査なんてあり得なかったでしょうから。

旦那の答えはこうでした。
『元々、嫁が、子どもが出来にくいって事で病院に通ってて、ついでに俺も受けてみようかな、と思った。』


は?
え、、、、
はぁ???

てなりました。笑

『いやいやいやいや、そりゃぁ確かに、私は去年産婦人科で多嚢胞性卵巣症候群って言われましたよ?自分でもしかしたら出来にくいかもってあなたに詫びましたよ?でも、医者から直接不妊症と診断されたこともないですよ!確かに普通の人よりかは出来にくいかもしれませんよ。でも、あなたの無精子症がわかった今、ほんとに私が出来やすいか出来にくいかなんて分からんやろ!!!精子居なかったんだから!!!てか、病院行った理由、私があなたのタマがちっさいから行けって言ったからでしょうが!!!!!』

と、旦那を傷付ける以外の何物でもない言葉は言わず、笑
グッと堪えていた私の顔は能面の様だったと思います。今、このブログで書けてスッキリしました。ありがとうございます。

能面と言えば、以前SoftBankショップでiPhone6に変えた時、
店員『通知メールが届くと思うんですが、ただ稀に通信のミスで届かない事があります、まぁ、100人に1人ぐらいなんで、大丈夫でしょう!ははは(^◇^)!』
心の声(私100人に1人の男引いた女だからなぁ・・・)←能面の様な顔だったと思う
店員『・・・お客さん?』
私『そうなんですか〜(^◇^)』我に返る

みたいな事もありました・・・



話が逸れました。



そして、急ではありますが、今月末に、TESEを受ける事になりました。
もうすぐ、これからの人生が大きく変わります。
でも、子どもが欲しい、家族を作りたい、その想いはなにも変わらないでしょう。

今の私は、結構落ち着いています。
別に、なにがあった訳でもないですが、、
休みの日には、見たかったドラマを観て、気分転換にケーキ焼いたり、友だちと遊んだり、涙流さずに旦那と将来の事を話せる様になりました。

TESEが終わったら、信頼できる友人に、打ち明けてみても良いのかな、とも思える様になりました。

確かに、不妊治療のことを誰かに言うのは怖いです。

なんて思われるだろう。なんて言われるだろう。理解してもらえるかな。引かれないかな。可哀想って思われないかな。

でも、事実を打ち明けている先輩に言われました。

怖がってるのは、結局は自分が傷付くのを恐れてるからだよ。でも、そこを恐れたらなにも前に進めない。そして、あなたが思っている以上に、周りの友人は、理解してくれる。あなたがこの人ならと言える人で良いから、打ち明けてみたら?

と。
そう言われて、ストンと私の中で何か落ちました。
結局、もう傷付ついてるんですよね。
私はどこかで、これ以上傷付きたくないと、思っていたのかも知れません。
でも、なにを思われようが言われようが、例え理解してもらえなくても、哀れまれても、それでも良い。それで傷付くことを恐れなければ、なにも怖くないのかも。
むしろ、前に進むには、傷付くしかないのかも知れない。でも、その先には、今までなかった何かがきっとあると。そう思えました。

いつか家族になるかもしれないその子が、その子さえ傷付かなければ、私が今どんなに傷付いたとしても前に進んでやるぞと。

数ヶ月前まで、無精子症の事実、そしてこれからの未来に立ち向かう勇気はこれっぽっちもありませんでした。傷付くのが、怖かったから。
病院に行ったり、検査したり、事は進んでいたかも知れませんが、気持ちは、前に進めていませんでした。

でも今は、立ち向かう勇気が、出てきたと思います。
まだまだ少しですが・・・。
今でも、泣き出しそうになったり、悔しかったり、旦那と他の男性を見比べては、『なーんにも違わないのになぁ』と思ったり、些細な言葉で傷つきます。
それでも、子どもが欲しい、産みたい、その気持ちが揺るぎないから、どんなに傷付いても前に進むしかないのです。


そう思える様になりました。

落ちる時はとことん落ちてやる、でも、それでも、前に進もうと思います。


新しい家族が欲しい、その想いがある限り進みます。